販売代行とは？基礎的な知識やメリット・デメリットを解説

自社の売上向上には継続的な企業成長が必要になり、販路の拡大していくことが事業の成長につながります。

また近年は人口減少や少子高齢化に伴う働き方改革や生産性の向上も企業には求められるようになりました。

企業における成長と変革が必須になってはいるものの、急な企業体質の変換は容易ではありません。

そのような状況下で企業が上手に活用したいのが販売代行です。販売代行業者を利用して販路拡大や事業成長に成功した事例も増えてきています。

この記事では販売代行の基礎的な知識やメリット・デメリットを解説します。

販売代行の特徴

販売代行は文字通り販売業務を外部の企業に代行してもらうサービスです。また販売代行と混同されやすい派遣やフランチャイズとの違いについて説明します。

販売代行とは販売に関わる業務をアウトソーシングすること

販売代行とは、店舗運営や販売業務などを外部に委託するサービスを指します。

通常は自社で販売店や店員を確保して営業活動を行いますが、販売業務を専門業者にアウトソーシングすることで日々の営業活動を自社のスタッフに変わって対応してくれます。

販売代行が採用される背景

販売代行を企業が採用するには下記のような理由があります。

販売管理費や人件費などの見直し

近年は新型コロナウィルスの影響もあり、小売業では特に大きなダメージを受けました。

外出自体が自粛となりデパートや百貨店ですら休館するほどでした。

コロナの対策が長期化するにつれ販売管理費や人件費などの固定費が大きな負担となる企業は数多く、固定費の見直しは緊急の課題となっていました。

販売代行を採用することで店舗運営やスタッフ雇用が企業から切り分けられ、これまで大きな負担となっていた販売管理費や人件費に流動性を持たせられるようになり課題の解決にもつながったのです。

業務の切り分けがしやすい

商品を販売するにあたり社員を雇用して教育を行うことは企業にとって時間とコストがかかります。

現代ではビジネスにおけるトレンドの移り変わりも早く、スピーディーな対応が求められています。

販売代行には販売業務自体を外部に委託することで、自社の強みである商品開発や企画に注力できる側面があります。

派遣やフランチャイズとの違い

外部のリソースを活用して自社の商品を販売する点では、販売代行は派遣やフランチャイズと類似しているシステムです。

派遣やフランチャイズとはどの点が違うのでしょうか。

派遣との違い

派遣とは、派遣会社が斡旋してきたスタッフを短期で雇用するシステムです。

派遣スタッフを直接雇用しているのは派遣会社であり、派遣先の企業は派遣会社と労働者派遣契約を結んでいます。

スタッフ単位での利用ができるので急な人材不足の際には便利ですが、派遣スタッフ自体には売上を向上させる義務はありません。

派遣自体は労働力の提供になります。販売代行においてはスタッフの採用、教育、販売までが業務領域であり、派遣よりも責任やスキルが要求されます。

フランチャイズとの違い

フランチャイズでは本部に加盟することでブランドや商標などを活用しての営業活動が行なる仕組みを指します。

フランチャイジー（加盟店）は、フランチャイザー（本部）から営業ノウハウ等を得られることへの対価を支払います。

フランチャイズにおいても加盟店のスタッフはフランチャイズ企業との雇用であり、直接の雇用関係にはありません。

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販売代行のメリットとは

販売代行を活用することで得られるメリットを見てみましょう。

メリット①低コストである

従業員を雇用して教育を行って行くことはどうしてもコストと時間がかかります。

人口減少が社会問題化している昨今では、求人媒体への出稿などスタッフ採用に大きなコストが発生しています。

多額のイニシャルコストをかけて獲得した従業員が戦力になるためには時間もかかるため大きくランニングコストも発生してしまいます。

販売代行は一からスタッフを採用するのと比較すれば、低コストで一定のサービスレベルの販売リソースを獲得することができます。

メリット②優秀な人材の確保ができる

現在の就職市場においては売り手市場から買い手市場にシフトはしているものの、優秀で即戦力の人材を獲得するにはコストもかかり難易度も高くなっています。

販売代行の企業は業界に特化しており専門性の高い企業も多く存在しています。

専門性の高いスタッフを多く擁している販売代行会社を利用することで効率良く優秀な人材を確保することができ、コストは抑えて高いパフォーマンスが発揮できるのです。

メリット③売上の向上が見込める

前述したように販売代行の会社は業界に特化して豊富なノウハウの蓄積があります。

そのため的確でパフォーマンスの高い営業ができるメリットがあります。

委託側企業の経営理念やブランディングを尊重し、接客や販売に強みを持つスタッフが販売業務に取り組むことで売上の向上につながります。

販売代行のデメリットとは

一方、販売代行を利用するにあたっての留意点は下記になります。

デメリット①販売ノウハウが蓄積しない

優秀な販売スタッフを効率良く獲得し、採用から教育まで販売代行会社に丸投げできるのが販売代行を利用するメリットです。

しかし全てを代行会社に任せっきりにしてしまうと自社には営業から販売までのノウハウやスキルは蓄積しません。

販売代行会社との契約が終了したら即売上が下がることはできるだけ避け、直販業務を並行して実施したり複数の販売代行会社と繋がっておきましょう。

デメリット②命令権や指揮権がない

販売代行を利用する場合、商品を提供している側の社員であっても店舗での指揮権はありません。

偽装請負を疑われ違法行為に発展する可能性がありますので注意しましょう。派遣スタッフであれば自社の社員が指揮権を活用して指示を出すことは可能です。

まとめ

販売代行は、販売業務を丸ごと外部に委託するサービスです。

店舗単位での利用ができスタッフの採用や教育まで代行会社がおこないます。

代行会社によって対応できる業務内容やサービスレベルにも差があるので、自社の取り扱う商材や環境にあった代行会社を選ぶことが重要です。