「代理店」「取次店」「販売店」「特約店」の違いとは?代理店契約にあたって知っておくべきことを解説

「代理店」「取次店」「販売店」「特約店」の違いとは?代理店契約にあたって知っておくべきことを解説

企業が事業拡大を図るにあたって販売代理店のシステムを活用することは一般的となりました。

代理店に登録して業務を委託される側の企業にとっても販売代理店のシステムは効率良く営業活動ができるので双方にメリットがあるビジネス手法です。

販売代理店には商材やサービスによって様々なスキームがあります。

この記事では販売代理店において主要な「代理店」「取次店」「販売店」「特約店」の違いについて解説します。

代理店・取次店・販売店・特約店の違いとは

販売代理店のスキームの中で、「代理店」「取次店」「販売店」「特約店」の4つはよく名前を知られている制度です。

しかしその違い細かく説明できる人も少ないのではないでしょうか。

同じ販売代理店のスキームですがどのようなポイントで差異があるのか説明します。

代理店の特徴とは

代理店は、一般的な販売代理店のスキームになります。売主(提供側/ベンダー)が生産した商品やサービスの販売を請け負います。

営業活動や販促、売主と顧客の仲介、契約後の顧客フォローなどを含みます。

業務領域における工数も多いので請け負う側も規模の大きい法人であることがスタンダードです。

代理店は、売主であるメーカー側(サプライヤー)の商品やサービスを文字通り代理として営業活動を行います。

しかし、販売や契約自体は売主側と顧客の間で交わされますので、販売や契約にかかわることはありません。

契約が成立した場合に契約手数料、販売手数料として報酬を受け取る仕組みとなっています。

後述する販売店とは名称の上で混同しやすいですが、業務領域や報酬体系において明確な違いを持ちます。

取次店の特徴とは

取次店とは、名前の通りに取次ぎを行うまでが業務内容のスキームです。

多くは宅配業界やクリーニング業界で採用されてきました。取次店は窓口対応だけを代行し、受付や申し込み対応を行うことで手数料を受け取ります。

取り次いだ商品は業者に引き継いでその後の処理をしてもらいます。

現在、最もポピュラーな取次店はコンビニエンスストアで、様々な業界の取次店としての役割も果たしているのは皆さんもご存じでしょう。

代理店とは業務領域が違い、取次店では顧客に対する営業活動や販促、営業後のフォローなどは行いません。

販売店の特徴とは

代理店と一番混同しやすいスキームが販売店です。販売代理店、代理店、販売店と並ぶと何が違うのか分かりづらいですね。

代理店は販売代理店を指し、販売店とは売主の商品を文字通り販売する店舗です。

代理店とは違い、実際に商品を購入した上で顧客に直接販売します。形式としては転売となり再販する際の価格設定も自社で調整できる契約が一般的です。

仕入れと販売価格の差が報酬となり、小売業者や商社に多い販売代理店のスキームです。価格設定が自由に行えるのはメリットですが、一方在庫を抱えて品質保持の責任も発生するので注意が必要です。

特約店の特徴とは

特約店は売主と特別な契約を結んだ卸売り業者を指します

売主であるメーカーの商品を独占的に販売することができる業務スキームです。ロゴや商標も使え、販売地域も独占できるなどのメリットがあります。

代理店と比較して売主側がより強い主導権を持っており、独占的に商品を取り扱えはするものの競合メーカーの商品は取り扱えなかったり、売上ノルマを課せられるケースもあります。

以前は街中で見られた電気店や化粧品店、美容サロンなどは特約店にあたります。

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代理店契約の注意するポイント

販売代理店を行うにあたっては売主側と契約を交わすことになります。

販売代理店という総称でありながら選択するスキームによる違いがあることは前述した通りです。

契約においても「販売店契約」「代理店契約」などの違いがあります。

「代理店契約」と「販売店契約」の違い

販売代理店における主な契約には「代理店契約」と「販売店契約」があります。

代理店契約

代理店契約において、代理店は営業活動の代理が主な業務内容になります。

営業代行や業務委託などの活動にイメージは近く、顧客にとっての売主はメーカーであり、サービス提供における消費者との契約や販売を直接します。

代理店と消費者との間には直接的な契約は交わされません。

販売手数料(コミッション)を報酬としますが、商品の所有権は持ちませんし持ちませんし販売価格に関してはメーカー側に従う必要があります。

販売店契約

販売店契約においては、販売店側がメーカーから直接製品を購入する必要があります。

仕入れた製品を転売することが許されており、価格の設定も販売店側で行えます。在庫を持つことが必須となる契約体系です。

在庫リスクが発生する分、代理店契約における販売手数料よりも高い転売利益が期待できます。

総販売代理店、総販売特約店としての契約は販売店契約に含まれ、その場合は販売ノルマの設定や一定の量の販売数を負担することが一般的です。

代理店契約、販売店契約比較

 代理店契約販売店契約
販売形態直接販売はしないメーカーから商品を仕入れ直接顧客に販売する
報酬販売手数料転売利益
価格設定メーカー販売店
契約相手メーカー消費者

まとめ

まとめ

販売代理店における「代理店」「取次店」「販売店」「特約店」との違いを解説しました。

販売代理店のシステムは、サプライヤーや代理店双方に大きな元手がいらずリスクが少ないことが特徴です。

リスクは最小で大きな売上をのぞめる可能性があることが販売代理店におけるメリットではないでしょうか。

代理店に登録してより大きな売上を期待するのであればより好条件でリスクの少ないサプライヤーの選定や契約がポイントになります。

ぜひ募集内容のこまめなチェックや説明会への積極的な参加をしてみてください。

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